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本日は、「国際空港シンポジウム2001」の基調講演ということで、「21世紀におけるグローバルな人・物の動きと国際空港」というテーマについてお話ししたいと思います。 |
![]() (図-1) |
| 一方米ボーイング社は、航空市場の中心は、今後長距離を飛べる小型機になると予測し、超大型旅客機B747Xの開発を凍結して、2001年3月、音速に近いマッハ0.95の速度で飛行する長距離型の高速旅客機「ソニック・クルーザー」(図−2)の開発に力を入れる方針を打ち出しました。 |
![]() (図-2) |
| 具体的な数字を挙げてみると、座席数は200席から300席とかなり幅は大きい。座席数はメーカーよりもむしろエアライン側のイニシアティブによって決められるでしょう。速度はマッハ0.95以上と音速にぎりぎりにまで迫る速さです。巡航高度は40,000〜50,000フィート、航続距離は9,000マイル(NM)を想定しています。そして、東京・ニューヨーク間で従来のジェット機と比べて、約2時間の時間短縮が可能であるとしている。
今後も増え続けると予測される航空需要に応じた旅客機の使い方に関する見方には、両社で対照的な違いがあります。エアバス社は、乗客の増加に対応していくため、航空会社はより大型の旅客機を使うようになるとみています。これに対して、ボーイング社は、今後は拠点ハブ空港を経由しない直行便が増え、目的地へより速く直行したいという乗客のニーズに応じるため、より高速の旅客機が選ばれるようになるとみています。より安い運賃を求めて超大型機を選択するのか、通常より高い運賃を支払っても、より高速のソニック・クルーザーを選択するのか、いずれにせよカギを握るのは利用者のニーズです。 一方、国内線や近距離国際線では、中小型旅客機の機種再編や新規導入が進んでいます。中小型機は路線ごとの需要に柔軟に対応することができ、ムリ・ムダのない運航が可能となり、機種見直しで保有機数を減らせば整備コストも下げられるからです。また、運航回数を増やすことにより、航空旅客が求めるフリークェンシー・サービスを行うことが可能になるからです。 A380ワイドボディ機の登場、超高速のソニック・クルーザーの開発、国内線や近距離国際線での中小型機によるフリークェンシー・サービス、このような将来の航空環境を展望して、ACIは今後ハブ・アンド・スポーク形の空港展開は沈静化し、直行路線の拡大が続くものとみています。 以上のような考察に基づいて、最後に21世紀の大交流時代における国際空港の整備について考えてみたいと思います。 [6.大交流時代の国際空港の整備] (1)国際空港整備の必要性 21世紀の大交流時代を迎えて、経済・文化・社会等、国民生活をとりまくあらゆる活動が諸外国との活発な交流を通して展開していく時代となってきました。このような時代において、航空は人および物の円滑な交流を支える最も有効な手段の1つとして、その意義を飛躍的に増大させていくものと考えられます。このため、国際航空ネットワークの拠点となる国際空港の整備を時機を失することなく進めることにより、国際空港の整備がそのボトルネックにならないように努めることが喫緊の課題となってきています。 また、国際空港の整備は、利用者、すなわちカスタマー(Customer)にとっては、航空企業の自由な競争の機械の拡大を通じて、航空輸送サービスの質の拡充と量的拡大につながること、周辺地域にとっては、雇用の拡大、経済の発展等の波及効果をもたらすことに留意すべきです。さらに、国際空港の整備を具体的に進めるに当たっては、空港が地域社会に及ぼす影響を適切に評価し、地域社会との共生という視点に立つよう努めることが必要です。 (2)環境にやさしい空港づくり 21世紀の人類社会の目標であるサスティナビリティとは、単に環境面だけの問題ではなく、社会・経済・環境という3つの要素のバランスをどうとるかということである。このため、国際空港の整備においては、先ず、サスティナビリティの理念を明確にし、サスティナビリティのマネジメント・プロセスづくりから始めなければなりません。その上でサスティナビリティを達成するための戦略づくりが重要となってくる。つまり、経済的な成長を達成する、雇用目標を達成する、慎重に自然資源の活用を図る、社会的なニーズを勘案する、などの他の戦略とのバランスにおいて、環境保全、さらには一歩進めて環境創造のための戦略をいかに構築していくかが重要となってきています。 このためには、従来の空港機能のみを重視した国際空港づくりから、カスタマーへのサービスや自然や地域社会との共生を重視した空港づくりへと、空港計画のパラダイムを転換していくことが重要です。さらに、航空機の騒音問題の解決を図るとともに、野生生物や海域生物とも共生していくことのできる国際空港とするためには、「環境管理計画」(Environmental Management Program)を策定するとともに、環境監視システムを構築し、データを広く地域住民に公表することにより、アカウンタビリティの精度を向上させていくことが必要です。さらには、市民もまきこんで、国際空港と周辺地域との共生を図っていくためのパブリック・インボルブメントのシステムづくりも重要です。 (3)国際空港整備のための技術開発 最近整備が進められている国際空港の多くは、大都市圏に立地しているため、用地確保の困難さや、航空機騒音への配慮などの厳しい制約条件のもとで、経済的かつ効率的な整備に向けての、さまざまな技術課題に取り組むことにより、その解決を図っていくことが求められています。 国際空港の建設・整備のような大規模プロジェクトを、コストの縮減をはかりながら、急速施工によって建設していくためには、IT技術に支えられた施工管理(Construction Management)システムの構築が必要となってきます。また、関西国際空港の建設整備のように、軟弱地盤を克服して国際空港を造成しなければならないような場合には、軟弱地盤の改良技術の開発が必要となってくる等々、それぞれの空港の建設現場の気象・海象・土質などの自然条件や社会経済条件によって、それぞれの建設現場に特有の新しい技術開発が求められることとなります。要は、これら新しく開発された技術を公開し、空港整備の関係者が、お互いに新技術を共有していくことが、これからの世界の新空港づくりには必要となってくるわけです。次に、国際空港の運用にあたっては、カスタマーへのサービス向上が求められるとともに、きびしい採算性の確保と空港経営の健全化、施設運用の効率性の確保、空港間の連携と競争を視野に入れたサービス・レベルの向上等について、より一層の戦略性が求められます。これらの課題を解決していくためのマネジメント支援システムとデータベースづくりが重要になってくると考えます。 さらに、国際空港の空域の有効利用を図るため、運輸多目的衛星(MT-SAT)を用いた航空交通管制システムや管制データリンク等の次世代航空保安システムの開発・整備を図ることが重要です。また、新しく開発された航空交通管制シミュレーターを用いて管制官のトレーニングを実施することにより、航空交通管制の能力向上と、航空機運行の安全性の確保に努めることも重要です。 (4)国際空港と地域整備 国際空港のインパクトを活用し、地域整備を行っていくためには、人や物の流れを増幅して、そこから新しい価値を生み出すためのシステムづくりが要請されます。そのためには、国際金融、国際物流、コンベンションなどの各種の国際的な機能の強化・育成につとめること、国際観光産業の振興や研究開発型の知識産業(knowledge intensive industry)の育成を図ること、などにより、地域の魅力づくりに努めることが重要です。 また、国際空港と地域が一体となって、世界各国から、多くの人びとや外資系企業を惹きつけることのできるような魅力づくりを進めることが重要です。すなわち、それぞれの地域の歴史・文化・風土・自然に根ざした独自のアイディンティティを主張できるような地域づくり、都市づくりを進めること、エンタープライズゾーンの設定など税制上の優遇措置を講ずること、外国人にとって、訪れてみたい、住んでみたい、働いてみたいと思うような、アメニティ豊かでホスピタリティに富んだ“まちづくり”を進めることが重要です。 さらに、国際空港と地域を結びつけるアクセス交通の整備も重要となってきます。世界の国際空港は高速道路のネットワークによって地域と結ばれているし、パリのシャルル・ド・ゴール空港にはTGVが乗り入れている。フランクフルトやデュッセルドルフなどドイツの国際空港は、インターシティ・エクスプレスのネットワークによってドイツ各地と結ばれている。国際空港と地域が共存共栄していくためには、国際空港のヒンターランドを高速道路や高速鉄道のネットワークで覆い、国際空港へのアクセスを便利にしていくことが重要かと考えます。 ご静聴ありがとうございました。 |
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Kansai International Airport Land Development Co.,Ltd |