司 会
お待たせいたしました。
それでは「国際空港シンポジウム2001」パネルディスカッションを行います。
このパネルディスカッションのコーディネーターは、神戸大学教授、黒田勝彦先生にお願いしております。
黒田先生、よろしくお願いいたします。
黒 田
ただいまご紹介にあずかりました神戸大学の黒田です。
 これから約1時間の時間をいただきまして、パネルディスカッションを行いたいと思います。
 フロアからもスピーカーのプレゼンテーションの内容について、たくさんのご質問をいただきました。時間の関係上、全部の質問を紹介してお答えいただくという時間がありませんので、大変恐縮ですが、私のほうで各スピーカーに対する質問を1つだけ取り上げさせていただいて、スピーカーの方に回答をしていただきたいというふうに思います。どうかお許しください。
まず、第1番目の質問ですが、ダラス・フォートワース空港から来られたフレーニさんに対する質問です。「ダラス・フォートワースとして旅客、貨物の新しいルートを開拓するために幾つかのターゲットを設定しておられるが、そのターゲットの実現に向けて現実にどのような活動を空港管理者として行っておられるのか、お話しください」
フレーニ
先ほども私の発表の中で申しましたけれども、今、世界のたくさんのところにターゲットを向けて、ローマ、ミラノ、シドニー、オークランド、リオデジャネイロ、ブエノスアイレス、こういったところをターゲットにしています。ターゲットを絞ってそういった拡大をしていこう、マーケティングをやっていこうと、かなりアグレッシブなマーケティングをやっています。
それからまたエアラインに対してもどのようなアプローチをするかということを絞っているのです。特に貨物に関してはかなり分析をしています。例えばエアラインに対して提案を持っていくわけです。戦略的なビジネス機会、それぞれのエアラインに対して、単にダラス・フォートワースを空港として売り込むのではなくて、それぞれのエアラインにプラスになるような売り方をするわけです。このダラス・フォートワースの地域の力、それからまたエアラインが利益性を上げるための機会がありますよという形でやります。
旅客でもそうです。貨物でもそうなんですが、我々は情報を正しく解釈をする、そしてそれぞれの航空会社に対してそれを正しく伝えるということを行っています。分析をするのです。新しい旅客ルートをやる場合、例えば市場の規模がどうであるかということを考えます。ノンストップ、例えばハブ・トゥ・ハブでブエノスアイレスからダラス・フォートワースへ、それから今度はダラス・フォートワースから乗り継いでアメリカ国内に行った場合、どうであるかと、それからまたブエノスアイレスを考えた場合には、ブエノスアイレスのその航路がどうであるかということだけではなくて、今度はそこから先にアルゼンチンに行ったらどうなのか、それから今度はノンストップ、これをダラス−ブエノスアイレス、それからまた今度はシカゴ−ブエノスアイレスと比較をしていくということを行っています。市場の規模がどうであるのか、市場の価値がどうであるのか、それぞれの企業の歳入の観点から見ていきます。そうすることでやはり利益性の上がる、そのビジネスケースというのを提示するという形でマーケティング活動をしているわけです。したがって、分析志向型であるということで、エアラインのボトムラインをきっちり抑えた形でそういったターゲットを絞った活動をしています。
黒 田
2番目の質問は、ローマ空港のヴェルジェリオさんに対するご質問です。「ゲートの高密度利用は空間の有効利用ではあるが、利用ゲートの混乱を乗客に強いることにならないか」、これが1つ目の質問です。
 2番目の質問が「国際、国内利用併用は、セキュリティーの問題があるのではないか」、これが2つ目の質問です。
 ヴェルジェリオさん、よろしくお願いします。
ヴェルジェリオ
ご質問、ありがとうございます。
 まず高密度のゲートの利用ですが、将来のセントラルピアーですが、多層階のピアーになっています。それぞれのレベルをそれぞれの専用の利用にするわけです。まず国内用に1階、これは出発と到着と両方です。それから次のレベル、これは国際的な出発と到着です。ですから密度は、フロアごとでは全く旧来の方式と同じです。ですから特にゲートが高密度化するということはないわけです。もちろん上下に動くという点については高密度ということになるのですけれども、旅客の側から見れば、まずこの施設の中で最初にランドサイドのところで分けられてしまうわけです。ランドサイドのところで、例えばゲートのC23、これがレベルCのゲートなんです。Dの44ということになれば、Dというレベルなんです。ですから上か、下かということではっきり分かれているわけです。ですから旅客が混乱するということはないと思います。適切なゲートに適切なレベルのところにちゃんと導入されるようになっているわけです。ですから間違ってほかのゲートに行くということはないと思います。
 このピアーには2つのピアーがあります。1つのピアーが上に重なっているという形になるわけです。ですから適切なレベルにきちんとインディケーションがありますので、搭乗券に書いてありますので、それを見ればその旅客のフロアがきちんとわかるようになっていますので、混乱することはないと思います。
 次のセキュリティーの問題ですけれども、セキュリティーの問題はありません。国内の出発と到着につきまして、ヨーロッパではすべてのセキュリティーというのは全く同じ質なんです。というのは同じスタンダードのセキュリティーが適用されているからです。例えばダラスのセキュリティーを見るとしますと、ランターのところでアトランタでセキュリティーが通れば、全く同じセキュリティーがダラスでもあるわけです。ですからヨーロッパでも同じなんです。例えば国内便を別のヨーロッパ便に乗り継ぐという時、同じフロアで出発と到着の客がいます。ヨーロッパ内の国の場合、1つのステップのセキュリティーのカウンターがあります。それから国際便の場合には乗り継ぎのためのセキュリティー、そして出発のためのセキュリティーがあります。ですから到着する旅客というのは、ヨーロッパもしくは国際便に乗り換えるという時にはセキュリティーを通らなければいけないわけです。それは世界のどことも同じです。そしてそれをちゃんと分離するために、セキュリティチェックを受けた者が通る通路を上階に設けて分離をするわけです。国際の到着便と分けているわけです。そして国際の出発便と分けているわけです。ですからここでミックスされてしまうことはないわけです。ピアーの下のところでセキュリティー・ポイントがきちんとありますので、国際の到着はセキュリティーを通らなければ行けないわけです。ほかのところ、どこに行くにしても、国内でもヨーロッパ便でもセキュリティーを通らなければ行けないようになっています。
黒 田
3番目の質問に移らせていただきたいと思います。
 オークランド空港のバークレイさんに質問がまいっています。「オークランド国際空港は株式を上場し、完全民営化されているとのことですが、どの程度の範囲まで民営化されているのでしょうか」
バークレイ
ご質問、ありがとうございます。
 どれほどまでにオークランド国際空港が民営化されているかということですけれども、4億2,000万の株がありまして、すべて上場しています。その100%の中で25%の保有が依然として市によってなされているわけです。オークランド地区の市です。そして我々が南半球で初めて上場したものです。世界で初めてだったのはBAAです。英国の例です。我々は世界で初めてではなかったということです。
黒 田
4番目の質問です。
 仁川エアポートの姜さんに対する質問です。「空港島の建設において、干潟に対して埋め立てを行っていますが、ミチゲーションの考え方はどのようなものですか」という内容です。
 会場におられる方、「ミチゲーション」という言葉を初めてお聞きになる方もいらっしゃるかもしれませんが、ざっと申し上げますと、アメリカのカリフォルニアのコースタルゾーン・マネジメント・アクトというものができまして、例えば空港をつくるために干潟を埋め立てる。そうするとその干潟というものを生き場にしているいろいろな生物が生き場を失う。したがって、空港をつくった面積、埋め立てた面積と同じウェットランドを他のところに造成しなさい、それが自然に対する保障行為と、いろいろなやり方があるのですが、そういう概念がミチゲーションという概念です。
おもしろい、関心のある質問をありがとうございます。
 それから、仁川国際空港に関心を持っていただいてありがとうございます。
 今、世界中の空港がどうしても拡張しようと思っても土地がない、それで困っているところはたくさんあるのです。例えば私たちの場合、韓国ですけれども、土地が非常に少なくて密集しています。日本と同じです。したがって、もうほかには策がなかった、海のほうへ行くしかなかったのです。
 私の発表でも申し上げましたけれども、そこで24時間のテレモニタリングシステムを使いまして、負の影響が環境に出ないようにということでモニタリングをしています。これが我々にとっての最善策でした。
黒 田
最後のご質問です。
 関空の岩_さん宛にまいっています。質問の内容は2つに分かれています。「最近、マスコミ等で関空に関していろいろと言われていますが、個人的には需要後退でない現在の空港拡張計画は従来の日本になかった正しい政策と考えています。このあたりについてのご意見をお聞かせください」と、これが1番目です。
 2つ目が「国内、国際乗り継ぎの便利な空港と言われていましたが、それほど乗り継ぎ旅客が増加していないように思われます。これに対する今後の課題をどのようにお考えですかお聞かせください」、この2つのご質問です。
岩 崎
なかなか難しいご質問がきまして、答えにくいところもあるのですけれども、まず第1点目の多分従来日本になかった正しい政策ではないかというところがちょっと意味がよくわからないのですけれども、今、我々が考えている二期の整備につきましては、これまでも一期の整備につきましても、一期、二期に分割して段階的整備に取り組んできたと、さらに二期の計画につきましても、このほど段階的整備によりまして整備を進めるということを発表したわけでして、ことごとさように需要に応じて段階的に整備するという形での取り組みにつきましては全く正しい政策だと、私は思っています。ご質問の趣旨がもう一つよくわからなかったのですけれども、私としましてはそういうふうに考えているところです。
 それから、2点目の国内、国際の乗り継ぎの話ですが、これはサンプリング調査で、ですから失敗ではないのですけれども、サンプリング調査からいきますと、国内、国際の乗り継ぎで行かれている方々は、日によって違いますけれども、国際旅客のうちの10%から20%という形で、単純平均すると大体14、5%かと、そうしますと、国際旅客が現在、年間1,200万人ありますので、14、5%というと、170、80万人になるのでしょうか、200万人近い。これを多いと見るか、少ないと見るかというところがあるのですけれども、そのくらいは占めているのかなと思っています。
 先ほどパワーポイントでもご説明したとおり、伊丹時代に比べると、相当程度、西日本全体からのお客様が増えてきているというふうに思います。さらにこれを増加させていくための工夫ということは何かあるかなと、短時間にちょっと考えてみますと、やはりダイヤの問題かなと、やはり国際の出発便の前に国内便の到着というところがダイヤの貼り付け上、いろいろ出てくればいいと、これはエアラインのダイヤの問題になっていまして、なかなか関空だけで解決できる問題ではありませんが、今後、そういうところにも力を入れていくことが1つの課題かなというふうには思っています。
 これも私の勝手な個人的な推測ですので、まことに申し訳ありませんが、その程度でお答えさせていただきます。
 以上です。
黒 田
ありがとうございました。
先ほども申し上げましたように、ほかにたくさんの質問をいただいていますが、議論をしたいほかのトピックスもありますので、ご紹介はここで打ち切らせていただきます。
会場にお越しの方はほぼご承知のことだと思うのですが、アメリカで1970年代に航空輸送に関するいろいろな規制が徐々に緩和され、今は完全競争の市場としてアメリカとしても国際的にオープン・スカイ・ポリシーという政策で各国と交渉している。それに伴って日本も国内線の規制に関しまして、自由化が行われて、エアライン同士の激しい競争になっている。そういう意味で航空輸送市場というのは今、グローバルなマーケットで競争が大変激しくなっている。マーケットというものを考える時に、3つの視点が重要だと思うわけです。
1つは今日のシンポジウムの本来の主催者であります空港のオペレーターという観点があります。マーケットに関与しているのは、当然空港の施設を提供するオペレーターが非常に重要な役割を果たしている。それを直接利用しているエアライン、キャリアです。キャリアはどの空港にサービスが提供されているのか、乗り入れていい空港なのか、悪い空港なのかといったようなことを考えながら、自分たちのネットワークとか、あるいは路線サービスのいろいろな戦略を考えている。
もう一つは、エンドユーザーと言われていますが、いわゆるパッセンジャー、お客さんです。お客さんは空港は幾つか選択できるとしたら、自分にとって最も有利な便利な快適な空港はどこだろう、そしてどこの空港に行けばどのエアラインがどれだけ快適に運んでくれて早く目的地に着けるのだろうかといったようなことを考えています。マーケットではこの三者がお互いのことを考えながら1つの、専門的な用語で言いますと、均衡という状態にまかせている。もちろんその均衡はダイナミックに変わっていっているわけですが、もう一つの主体がそういう空港の建設とか、運営、運用、それからエアラインのルーティングの規制、そういうものをやっている政府、この四者がマーケットに絡んでいる。したがって、航空市場ということを考える場合に、この四者の考え方というのが重要な視点としてあるということを頭の中に置いていただいて、これからのディスカッションを聞いていただきたいと思います。
まず最初は、そういう意味で市場の最も早い規制緩和に踏み切られて、米国のいろいろなご経験をお聞きしたいと思うわけですが、ダラス・フォートワースエアポートから来られましたフレーニさんに、アメリカ国内で規制緩和が進行した結果、マーケットは一体どうなったのか、その結果、現状に至っているわけですが、どのようなことが起こったのかということをお話しいただければありがたいと思います。
フレーニ
これは23年の歴史を5分にまとめられるかどうか、大変な仕事だと思うのですが、1978年、米国の航空市場の規制緩和が行われました。その前はといいますと、米国のキャリアは、例えばフライトをダラスとオクラホマシティーの間に追加しようと思うと、これは数百マイルなんですが、それでも政府に申請をしなければいけなかった。運賃も、運行スケジュールも全部提出をして承認を待たなければいけなかった。それまでにはかなりの待ち時間があったわけです。
ところが規制緩和によって、例えば運賃を変えることもできるし、またフライトのスケジュールを変えることもかなり容易になりました。これが特に乗客にとって市場ということが非常に重要になってきたわけです。政府がこうやりなさいと、コントロールをする。運賃はこうしなさいと、市場はこうであるよと、市場のシフトはこうならなければいけないというのではなくて、それぞれの航空会社が市場が何を求めているのか、市場の需要は何なのかということに基づいて、例えばフライトのスケジュールを変えることができる。またそれによって運賃も変えられるというふうになったわけです。規制緩和いうのは20世紀後半の大きな実験であって、それはうまくいったと言われています。
 航空運賃、例えばインフレでありましたけれども、今のほうが1977年、すなわち規制緩和前の時よりもインフレ率にもかかわらず運賃は安くなっています。ただ、そういったパンアメリカンだとか、イースタンエアラインだとか、ブラネフだとか、こういったものが破産をしてしまった。これも実は規制緩和の結果だと思うのです。競争ができなくなるとだめになる。それでUSエアラインズなんですが、これは非常に市場志向型だったのです。非常に市場の動きに敏感であった。それによって例えばセーバーやポロなどのサービスプログラム、そういったところのフリークエントフライヤーのマイレージのプログラムを導入したのもUAだったのです。その時には導入されていなかったのですが、VISAカードを使えばそれによってまたマイルがたまるという方式を導入したのもユナイテッドエアライン、UAだったのです。
 こういった構造ができました。これが規制緩和の結果だと思うのです。ポイント・トゥ・ポイントのサービスが生まれてきた。でもエアラインは今度は優位性をどうすれば維持できるかということの実験に入りました。単にポイント・トゥ・ポイントではなくて、あるところで優位に立つにはどうすればいいか。例えばある都市がその航空会社にとって重要であると考えればそこに集中してフライトを向けるということもやったわけです。例えば私にしたらダラス・フォートワース、シカゴ、デンバーで乗り換えなければいけないと、それは街が好きだからではなくて、例えばフリークエントフライヤー・プログラムというマイレージプログラムのメリットがどれだけあるかとか、乗り継ぎ時間がどれだけ短いとか、それによって乗客は見ているわけです。ですから乗客のほうのロイヤリティーとしては価格が10ドル、20ドルぐらい違っても1つのエアラインから別のエアラインにかわるということはないし、またそれによって1つの空港から別の空港に移るということもないと思うのです。
 将来の規制緩和ということなんですが、この実験が続いていっても、だからといって元の段階に戻るとは思いません。競争しているさまざまな会社は競争があまりにも厳しすぎるという状況がある。だからといって政府に規制されることを私たちは望んではいないと思うのです。例えば二、三年前でしょうか。コリアンエアラインというのがありまして、ここがファーストクラスのサービスを提供すると、そして資本市場にもお金を注ぎ込んで、そして運行を始めたのです。ところが私たち市場が求めている製品ではなかったために、最終的にはそのキャリアはダラスでは失敗したというケースがあります。
 だから、誰でもまだチャンスをつかむことができるのです。誰が成功して、誰が失敗するのか。規制緩和というのは誰でも成功できる。そのかわりちょっと間違えたら誰もが失敗する危険性を持っていると、それがもともとの規制緩和だと思うのです。
 9月11日、悲惨な多発同時テロがありました。その後、どんどんどんどん業績が落ち込んでいるところもあります。また、弱いところはシステムがどんどん悪くなっている。ところが強いエアラインはさらにその力を強めている。そして市場での優位を確保しています。そういったものが規制緩和の結果でありましょう。
黒 田
ありがとうございました。
次の論点は、多くの新聞紙上、あるいはテレビ等々で各国が、特に東北アジアで大きな空港が、先ほどの仁川のエアポートもそうですが、今、どんどん大きな空港をつくって、空港建設競争のような時代に入っています。関空もそうですが、いずれもアジアのハブを目指すというようなことをよくお聞きになったと思います。ハブ&スポークスは先ほどのフレーニさんの話にもありましたように、あるいはプレゼンテーションの中でもありましたように、自転車のハブとスポークスとの関係がちょうどエアラインの張るネットワークに似ているということから、エアラインはそれが最も効率的な運営形態ということになるわけですが、ちょっと考えていただきたいと思います。
5つの都市があります。この5つの都市、各都市を全部ダイレクトに結ぼうとしたら、10本の路線が必要なわけです。ところがハブを1つつくって、そこへ集中するようにしましたら、5マイナス1で、わずか4本のリンクで都市をつなぐことができる。これは一般的な式で言いますと、N個の空港がありますと、ハブ空港があれば全部の都市を結ぶためにNマイナス1本のリンクがあればいいわけです。ところが全部のネットワークを結ぼうと思いますと、2分のN掛けるNマイナス1〔N×(N-1)/2〕という式が簡単に出てくるのですが、ねずみ算式にたくさんの路線が増えていく。そういうことを全部サービスしようとすると、ものすごく不経済になる。したがって、エアラインの効率化、運営の効率化というのは、ハブ&スポークスシステムを選ぶ傾向があるわけですが、旅客にとってはダイレクト便が消えて、遠く乗り継いでいかなくてはいけないという不便も一方では生じる。
そういう中で各国、あるいは各空港がハブ化を目指して、今、いろいろなことを戦略として考えておられる。ハブ空港そのものはいろいろな定義があるわけですが、3空港がハブ空港を目指しておられるということなんです。ハブ空港になるための戦略として何を考えていらっしゃるかということを3人の方々にお聞きしますと、ハブというものをこういうふう考えておられるのだなということがおわかりになると思います。
まずダラス・フォートワースのフレーニさんと、ローマ空港のヴェルジェリオさん、それからオークランドのバークレイさんにそれぞれ同じ質問でお答えをお願いをしたいと思います。
まず、フレーニさんからお願いします。
フレーニ
このハブ空港の開発ということなんですが、これは私が子供の頃、ダラス・フォートワース空港が建設された頃はそうではなかったと思うのです。でもハブエアポートになりたいと思ったのは、やはりダラスの街、フォートワースの街がアメリカンエアライン、デルタエアラインに対して、アメリカンとデルタは、これは私たちがビジネスをしたいところだと選んだためにそれがハブ空港になったわけです。これから先、伸び率が5年で10%も伸びていくということで、これはもちろんそれを実現するのに必要な人口というものを考えなければいけない。地理的にもその位置がアメリカの中央であるということ、これがハブ空港としての理想である。西海岸にも4時間、東海岸にも4時間、それからまた人口、経済が非常に堅調である。ダラス・フォートワースの地域には「フォーチュン500」の会社のうちの16社が本社を置いているわけです。アメリカでデルタ、アメリカンがハブ空港としてダラスを使っているわけです。これからもハブ空港としてこの2社が活動を続けていく上で、ダラス・フォートワース空港としてはサポートをしていきたい。またミラノやローマやブエノスアイレスやリオデジャネイロに、もしアメリカンエアラインやデルタ航空が直行便を飛ばしたいといった場合には、それができるようなサポートをしていきたいと思っています。
黒 田
ありがとうございました。ヴェルジェリオさん、お願いいたします。
ヴェルジェリオ
大変興味深い課題だと思うのです。まず私が指摘したいのは非常に大きなことです。ハブとしてのビジネス、ハブというのはマジックワードであると思います。実際の状況を説明しているわけです。しかし必ずしもこれが最大限の効率をあらわすものではないと思います。
歴史を振り返らないといけないと思うのですけれども、70年代、ロングホール、長距離の便、例えば日本が最も人気があったわけですけれども、マルチターミナルの目的地ということで、例えばロンドン、ローマ、バンコク、シドニー、メルボルン、オークランドというところを結んでいたわけです。つまり747-200という、全く新しい飛行機で幾つかのターミナルを結ばなければいけなかったわけです。そのようなネットワークで多くの目的地を結んでいました。つまりマルチターミナルのフライトということであったわけです。そして非常に高い頻度、1週間に1度とか、もしくは1週間に2度とかいう頻度で飛ばしていたわけであります。
80年代になりますと、このコンセプトはよくないとエアラインは考えたわけです。例えばクルーがバンコクで、ほかのところでもいいのですけれども、、このマルチターミナルのフライトの最初、もしくは最後はあまり混んでいないということがある。これはハブではなくて主要な空港ということなんですけれども、1つの目的地があると、そこを出発して、このネットワークの一番最後の空港へ向かいます。例えばアフリカにはヨーロッパのキャリアが飛んでいますけれども、こういう状況があったわけです。基本的にネットワークを増やすためにコードシェア・アグリーメントというものを結びました。それをアライアンスというふうに呼ぶことができます。例えばヨーロッパからバンコクに飛びたいという時、ローカルなキャリアと合意を結ぶわけです。そのエリアの目的地に対するアグリーメントを結ぶわけです。そしてネットワークを再構築するわけです。これが非常に便利だと考えたわけです。もっと頻度を増やす、便を増やす、ポイント・トゥ・ポイントのフライトにするということ。それからもう一つ、より多くの目的地を選ぶと、できるだけクルーの家から遠いところにならないようにするということであります。それで90年代の初めまでこれが行われました。しかし80年代にはハブが中心となる考え方でありました。
そして1つ、もしくは2つの大きな空港で、例えばデルタというのは4つのハブをアメリカで持っていますけれども、そのような主要な国内のキャリアであっても、パンナムを買収することにより国際的なフライトになったわけですけれども、80年代に入りまして、そういう整理統合が起こってきました。主要な空港をハブとして、ハブ&スポークというやり方をとってきたわけです。現在までそれが続いてきています。
この目的は2つあります。まずできるだけ多くの目的地に飛ばすということ、そしてできるだけたくさんの便を飛ばすということです。できるだけ多くの旅客、特にビジネスのハイレベルの旅客をネットワークの中に取り込むという考えです。目的地の利便性というのはデイリーフライトでもってのみ達成することができるという考えです。ですからルーティングを例えば1週間に1回とか2回という頻度に増やしたと、ポイント・トゥ・ポイントで毎日、便を飛ばすということをやりました。
そして、ダラスで二、三年やっていきました。これは次のステップと考えられますが、それがポイント・トゥ・ポイントの接続ということです。例えばダラスで数年やってきましたが、航空市場がその市場を売って行くと。非常に小さなエアクラフトのほうが効率がいいと。例えば747よりも767のほうがいいと考えたわけです。
大きなエアライン、例えばアメリカンエアラインはもう747は飛ばしていないのです。中型の航空機をもっとたくさん飛ばすようになったわけです。そのほうが収入を上げられるわけなんです。たくさん旅客を運ぶことができると考えたわけです。ですから最小限必要な需要量があれば、アライアンスでワンポイントからワンポイントへというフライトを導入することを始めると思います。そのようなネットワークを構築すると思います。それで空港に対して、これまでは直接のコネクションがなかった。例えば国際的なコネクションがなかったのですけれども、そういうことを始めました。マンチェスター、シャノンにもそういう例があると思います。バーミンガムもそうです。直接のコネクションをアメリカと結び始めたわけです。
それで757でありましても、10年前だったと思いますけれども、10年前には757というのは考えられなかったわけです。ですから将来はこういうステップをとっていくのではないのでしょうか。ハブを使うけれども、ポイント・トゥ・ポイントのより頻度の高いフライトを最小限必要な需要量があれば飛ばすということであります。
それで、ハブ&スポークが便利だけれども、経済ということを考えるとそれが最適ではないと思うのです。例えば東京からローマへのフライトということを考えますと、このフライト、例えば1,000ドルです。例えば大阪−東京−ローマということになりますと、同じフライトで1,050ドルということになるでしょう。
このフライトをハブ&スポークのコンセプトで結ぶと、国内線ほど儲けられないことになります。ですから直接のコネクション、小さな飛行機を使う、もし最小限必要な需要量あれば、大阪からローマへ、東京からローマヘというコネクション、つまり二重のコネクションを持つわけです。そのほうが市場ということを考えると競争に勝っていく上で非常にアグレッシブなアプローチとなるのではないでしょうか。
旅客にとりましてもそのほうがいいと思うのです。例えばロンドンですとか、ヨハネスブルグ等のフライト、そういったケースというのはもう古いと思うのです。ですからポイント・トゥ・ポイントのコネクションというのはどんどん増えていくと思います。将来におきましては、アライアンスという中で、エアラインのアライアンスということができまして、非常に柔軟性のあるダイナミックなやり方で市場に合わせていけると思います。
例えば飛行機のないエアラインということも考えられるのではないでしょうか。ビジョンになると思います。非常に大きな旅行代理店のような形になるわけです。例えば南アメリカからオーストラリアに飛ばす。例えばオーストラリアからサウスアメリカに対してシートを売っていく。そして南アメリカとオーストラリアの間でトレードをすると。例えばある季節だけしかコネクションが必要ないというのであれば、そういうこともできると思うのです。そうすればすべての目的地を結ぶことができると思うのです。それが将来のエアラインのビジョンではないかと思います。それがバーチャル・エアラインだと思います。
それで、今のところはハブというのが市場の中心だと思います。そこでハブとなる戦略、ハブ空港としての戦略というご質問に戻るのですけれども、空港としてはホームベースのキャリアであるということが重要です。それからまた地方の最小限必要な需要というものを持つ、旅客を持つということが重要であります。この2つが重要だと思います。そうでなければ、空港としては対処できないと思います。ホームベースキャリアであると、そしてクリティカルマスの旅客がいるということ、そうでなければ消えてしまうと思うのです。無駄になってしまうと思うのです。例えばダラム(Durham)の場合、アメリカンエアラインはもうその運行をストップしてしまいました。そこに境界があるのですけれども、非常に大きなクリティカルマスがあったとしても、ホームベースのメンテナンスのベースというものがキャリアにとってなければならない。それが非常に重要だと思います。
また、もちろんインフラストラクチャーの問題もあると思います。インフラストラクチャーがきちんとなければやはり直接、施設を運営することはできないわけでありますから、コンスタントなキャパシティーを持たなければいけない。そして非常に大きなスペアのキャパシティーを持たなければいけないと思います。例えば到着のウェーブと同時に出発のウェーブがなければいけないわけです。ですから到着のキャパシティー、そして大きな出発のキャパシティー、両方持たなければいけないということになります。ですから、スペアのキャパシティーを持つ、余力を持つということが重要だと思います。平均的な日に対応できなければいけません。ですから、柔軟なインフラを持つということ、そしてできるだけ近いところに飛ばす。そしてアライアンスをもって接続時間を最低限に抑えるということが重要だと思います。非常に短いコネクションということが重要になってくると思います。ポイント・トゥ・ポイントのマーケットというのが非常に大きくなっている現状ですから。
それで、旅客はまだ気がついていませんけれども、高速のバゲッジのソーティングシステムが非常に重要だと思います。イングランドで例があるのですが、100%のバゲッジのスクリーニングをヨーロッパではやっています。しかし、それによりまして20%の旅客を失ってしまったということがありました。100%のオペレーションをしなければいけない。それで最低限の接続時間というものを保障できないからです。そうすると、空港を変えてしまうということになってしまうわけです。また、接続時間が増えるということになりますと、市場を失ってしまいます。例えばウィーンに行こうとしますと、同じ目的地に早く行けるほうがいいですし、また100%のバゲッジのソーティングがあると、それが妨げられてしまうわけですから、空港にとりまして非常に大きな問題になってしまいます。
ですから、効率的なインフラを持つということ、効率的に旅客を運ぶことができるということ、そしてクリティカルマスの旅客の数があるということ、それを効率的に運営することが重要だと思います。私たちにとりまして、やはりハブの成功のためにはそれがキーになると思います。ハブというのは単に移行する点であると思います。ポイント・トゥ・ポイントのコネクションがこれから増えてくると思います。
黒 田
ありがとうございました。
フレーニさん、それからヴェルジェリオさん、それぞれの考え方を述べていただきました。
 次にバークレイさんにご意見をお伺いしたいのですが、大変申し訳ありませんが、お2人のお考え以外に、さらにオークランドではこういう考え方なんだと、地理的な条件もオークランドはほかの空港と違ってかなり偏ったところにあるのですが、それでもこういうふうに我々は考えているんだというご意見を追加的に5分以内ぐらいでお話しいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。
バークレイ
もうすでにいろいろカバーされたと思います。我々も確かに地理的にかなり離れているということ、世界の下のほうに位置しているわけです。ですから、例えば我々のほうにはニュージーランドの80%のトラフィックを扱っていまして、南太平洋地域を中心としているわけですけれども、我々はできるだけトラフィックを引き続き引き付けていきたいと思っているわけです。
 そして、効率的なサービスをエアラインに提供するということ、トランジットタイムを短くするということ、質の高いグランドサービスを提供するということですけれども、やはりトラフィックを増やすということのためには、顧客にとっては利便性を上げるということが重要だと考えています。
 ですから、我々は例えばショッピングの機会を提供しています。ショッピングセンターのようなものも充実しています。またマッサージサービスもありますし、乗り継ぎ客に使っていただくものがあります。そしてラウンジ等も充実しているということ、そういった形でカスタマーサービスを充実させることによりまして、南太平洋におけるハブとなりたいということで志向しているわけです。
黒 田
それでは次のトピックスでご意見をお伺いしたいと思います。
 先ほどのハブのあり方の中、戦略の中にもありましたし、またスピーカーのお話の中、プレゼンテーションのお話の中にもありましたように、ユーザーフレンドリーなエアポートを目指すということは、利用者のサイドに立った空港の使いやすさ、そういう意味で大変重要なコンセプトだと思うわけですが、お三方にユーザーフレンドリーなサービスというのをどういうふうに実施していらっしゃるか、あるいはこれからどういうふうにしようと考えておられるか、仁川エアポートの姜さんと、ヌグラ・ライ空港のドルディさん、それから関空の岩_さんにそれぞれご意見をお伺いしたいと思います。
 まず最初に、姜さんからお話しよろしくお願いします。
いろいろな形でユーザーフレンドリーな空港になれると思うのです。まず1つ、基本的な方法としてその手続の時間を短くするということです。そのためには時間を30分まで短くしたいと思っています。これは基本です。典型的な例としてユーザーフレンドリーな仁川国際空港の場合にはユニバーサルデザインを取り入れています。この概念を設計の段階から取り入れています。ということは、私たちはあらゆる人が誰でも簡単にこの空港が使えるようにということを念頭に置いたのです。高齢者も子供も男性も女性も、西洋人も東洋人も誰でも使える空港にしたい、右利きの人も左利きの人も使えるようにしたい、いろいろな宗教の人、それから障害を持つ人でも使えるようにしたいということでやってきました。
 それで、実際に空港を開港しましてやってみますと、いろいろ欠陥も見えてきたのです。それをできるだけ変えていきたいと思っています。お客様からの不満も出てきますけれども、それにもできるだけ応えていくという形でユーザーフレンドリーな空港を目指しています。
黒 田
ありがとうございました。
それでは同じ質問をドルディさんにお願いします。
ドルディ
バリにおきましては、土地が非常に限られています。ですから、フェーズ1からフェーズ4という形で段階的に空港の開発をしていったわけなんですけれども、それにも遅延が見られています。JICA、日本のコンサルタントなんですが、こちらと一緒にバリの環境問題、例えばマングローブの保全の問題に取り組んできました。JICAと共にマングローブの公園の埋め立てをし、それをほかのところに移すということをやってきました。そして環境問題というのが最も重要なんです。観光地が非常に近くにありますので、やはり騒音の問題も非常に重要です。空港のある場所というのが人の住んでいるところの近くにあるということですので、騒音問題も非常に重要だということです。
黒 田
ありがとうございました。
同じ質問を関空の岩崎さんにお願いします。
岩 崎
ユーザーフレンドリーという意味の「ユーザー」をどこに置くかということで、私はお答えする時に、要するに旅行客、お客様というユーザーと、あとは直接空港を利用するという意味では航空会社、この2つの目があるのかなというふうに思っています。
それで、一期はどうかというところは省きまして、一期、二期合わせてユーザーフレンドリーな観点でどういうことを考えていかなければいけないのかなということを考えた場合、一番はやはり快適で利便性の高いサービスという形、先ほど仁川空港の方も言われましたけれども、乗り継ぎ、あるいは手続の時間、それからあとは同じくユニバーサルデザインの導入とか、そういうことも当然必要だと思っています。
 また、廉価で高質なサービスというところもやはり必要なのかなと。私は技術屋なものですから、技術屋サイドから考えると、イニシャルコスト、ランニングコストをなるべく安くて、かつ質がいいものを計画設計していくということなのかなと思います。
 それから、便利で快適なアクセスもやはり空港上は重要なことだと思っていますし、あとは迅速で快適な情報の提供も重要なことだろうと思っています。それらについてはこれからIT、要するに先端的な情報技術を積極的に導入して先ほどの乗り継ぎですとか、チェックインですとか、搭乗手続きですとか、あるいは情報の提供などに今後そういうものの積極的な導入ということを考えていかなくてはならないだろうというふうに思っています。
 以上です。
黒 田
ありがとうございました。
 パネルディスカッションの時間があとわずかに迫ってきました。最後に残された時間をいただいて、皆さんの最近の大きな関心事だと思いますが、9月11日のアメリカのエアラインを使ったテロ、ハイジャックされた飛行機が突っ込んだというテロ以降、空港の安全ということが世界の人々の大きな関心事になっています。昨晩もイギリスのテレビがつくったプログラムで「ブロークン・ダガー」というテレビをやっていまして、私、たまたま見ました。世界のマスコミも大変関心を持っているようですし、我々にとりましても大変重要な関心事です。
今日は、各エアポートの管理者の方がたくさんスピーカーでお見えになっていらっしゃる機会をお借りしまして、これから空港の安全ということをどういうふうに考えていけばいいのか、どういうふうな組織なり、あるいは手段が必要なのか、このことについて6人のスピーカーの方から、あとトータル5分しかありませんので、お1人最大1分間でお願いを申し上げたいと思います。
 まず最初にフレーニさんからお願いします。
フレーニ
アメリカのセキュリティー、現在、これは航空会社の責任で行われていて、空港ではないのです。ただこれが連邦政府のほうのレベルではそれを変えようということで、実際にFBIだとか、政府のセキュリティーの人たちが入ってきています。セキュリティーをもっと強くする。そうすると見えるところも出てくるけれども、見えないところもたくさん出てくると。空港も航空会社も、また政府もすべてできるだけセキュリティーを高くするために、見えるもの、見えないもの、いろいろなことをやっていこうとしています。
黒 田
ありがとうございました。それでは、ヴェルジェリオさん、よろしくお願いします。
ヴェルジェリオ
イタリアにおきましては、現在、起こっていますのはセキュリティーというのは政府から空港に対してお達しがあるということです。また、FEAのインストラクションにも従っています。つまりイタリアの空港でもアメリカと同じルールに従っているわけです。イタリアではもちろんそれぞれの空港でセキュリティーをやっています。セキュリティーの部門が会社の中にあります。政府、警察等のスーパービジョンによりまして、セキュリティーが非常に厳しくなっています。よりハイテクの目に見えない形のセキュリティーが増えてきています。このような形でセキュリティーを増強させようとしています。
 安全性につきましても同じです。安全のオペレーションをやっています。イタリアでは非常に厳しくなっています。ミラノで航空機の事故がありました。1カ月ほど前に墜落事故があり人が死んでしまったわけです。安全性がなかった。地上での安全性も非常に重要であるということですので、イタリアのATCにとりまして非常に重要な問題になります。私たちのメンタリティーを変えていかなければいけないという問題に直面しています。
黒 田
ありがとうございました。それでは引き続きまして、バークレイさんにお願いしたいと思います。
バークレイ
オークランド空港におきましては、以下のドキュメンテーションを満たすべくやっています。またFAAの要件をも米国向けに関しては満たしていますし、また民間航空局、ニュージーランドの航空局の要件を満たしています。
セキュリティーに関しましては、さらにこれから先、空港における一貫性、そして規制における一貫性というものを各国の間で図っていかなければいけないと思います。そして空港により多くのコストがかかったり、あるいは混乱を生じて自らのスタンダードを変えていかなければいけないというようなことがないように、初めから一致した形で首尾一貫してやっていくということが各国の間で求められていると思います。
黒 田
どうもありがとうございました。姜さん、お願いいたします。
金浦空港で1980年代に爆発事故がありました。以来、我々韓国の航空局ではより厳しいセキュリティーをやっています。90年以降、我々は乗客がそういったセュリティーをしっかり守るようにということで強化をしてきたわけですが、仁川国際空港でも乗客の利便性を失うことなくそのセキュリティーをやるということで、例えば爆発物を検出するディテクターを設けるとか、さまざまな形でやっています。
 それから、米国の多発テロがありました。そこでセキュリティーを高めるということでさまざまなセキュリティー機器の感度を上げるということをやっています。それからセキュリティーのスタッフ、例えば生物テロにも耐えられるような対策も取っています。ただ、こういった手法というのはやはり限界があるのです。したがって、完全に空港を安全に保つためには情報ネットワークをエアポート間で持つ、それから国家間で共有する、意見交換をする、情報交換をするということが必要になってくるでしょう。
黒 田
ありがとうございました。それでは、ドルディさんお願いいたします。
ドルディ
アメリカで事故がありましたので、バリ国際空港におきましても、AQIのスタンダードに合わそうとしています。アメリカでやられているのと同じように、バリ国際空港におきましても、コンチネンタルのフライトがバリに飛んできていますので、ABAのスタンダードに準拠しようと、もちろんセキュリティーのレベルを普段よりも上げています。安全性についてもそうです。
岩 崎
もうご意見が出尽くしているような感じで、私はほとんど申し上げるようなことはないのですけれども、日本におきましても今、セキュリティーレベルを上げて、対策を講じているところです。さらにセキュリティー機器の充実ということも重要ですし、そういうセキュリティーのシステムの充実が必要だと。さらには先ほども出ていましたけれども、警察ですとか政府関係機関と連携してその情報の共有化という形のことが重要だろうと。さらにはそれが各国の間でそういうネットワークが広がればさらに望ましい形になっていくのかなというふうに思っています。
 以上です。
黒 田
ありがとうございました。
 まだまだ議論をしたいトピックスがたくさんあるわけですが、時間があれば例えば今、話題になっていますアライアンスというのは、確定的ではなくていろいろな結び付きがある。「離婚を繰り返す」という言葉がありますが、いろいろなコンビネーションがアンステーブルであるというようなこととか、皆さんはどう考えていらっしゃるのか、それに対して空港計画をつくっていて、将来はどうなるのかといったような話とか、あるいは今、空港間競争ということが非常に言われているわけですが、それについてどういうような対策を考えていらっしゃるのかとか、いろいろな話題をまだまだ議論したいのですが、残念ながら後ろの予定が詰まっていまして、もうすでに1分ほどオーバーしています。
大変申し訳ありませんが、本日のパネルディスカッション、これでもって終了させていただきたいと思います。
 最後に、パネラーの方に拍手でもって御礼申し上げたいと思います。
 どうもありがとうございました。


Kansai International Airport Land Development Co.,Ltd